216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/04(水) 00:57:38.01 ID:9xSr4mgfo
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一人で部屋に戻る。物音はしないのに、家に人がいるというだけで落ち着かなかった。
べつにそれが年頃の女の子ふたりだからというわけではない、と思う。
考えても仕方ないことだと割りきって、俺は机に向かった。
ルーズリーフを一枚広げ、シャープペンを取り出す。
何かを書こうと思ったはずなのに、いざとなると書くべきことを思い出せない。
横にしたルーズリーフに、俺は文字を並べる。
神崎美園
千家龍
筒井あまね
野々宮サキ
のぞみ
ユイ
別に意味はない。ここのところ関わることの多かった名前を並べて、それらに説明を付け加える。
神崎美園 ― 女。図書委員。
千家龍 ― 男。同じクラス。
筒井あまね ― 女。同学年。生徒会役員。屋上。
野々宮サキ ― 同好会の会長。先輩。
のぞみ ― 別の世界の神崎美園。
ユイ ― 別人。