[3/4]幼馴染「いっしょにいようよ」

215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/04(水) 00:57:06.33 ID:9xSr4mgfo

 一応、ふたりに家の中を案内した。
キッチンや冷蔵庫の中身は勝手に使ってもかまわない、風呂場も好きに使ってくれていい。
面倒ならカップ麺を箱買いしてあるから、それを食べてもかまわない。
何をしてもかまわない。金が必要なら少しなら工面できるし、暇なら本やDVDを貸してもいい。

けれど、できるかぎり二階の部屋には近寄らないでほしい。俺が言ったのはせいぜいそのくらいのことだけだ。

返事や相槌をよこしたのはのぞみだけで、ユイは気に入らないように黙り込んだままだった。
べつにここを追い出されたってかまわないというような顔。

「不満気だな」

俺が訊ねると、ユイは「当たり前でしょ」と言いたげにこちらを睨んだ。

「べつに俺は、きみがどこに行ってどうなってもかまわない。頼まれたから場所を貸すだけだ。
きみが俺にとって不愉快なら、出て行ってもらうこともできる。
でも、そうなったとき、迷惑を被るのは俺じゃなくて、きみの友だちじゃないか?」

ユイは、軽蔑したようにこちらを睨む。傷つく理由はない。

「仲良くしようぜ」

俺は笑った。ユイは不愉快そうに溜め息をついたあと、

「ありがとう」

と儀礼的に言った。俺はそれで満足した。

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