[3/4]幼馴染「いっしょにいようよ」
※[2/4]幼馴染「いっしょにいようよ」のつづきです
214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/04(水) 00:56:28.66 ID:9xSr4mgfo
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ユイとのぞみは、その日のうちに俺の家にやってきた。
部屋は余っている。四人暮らしていた家に今は一人しか居ないのだから、当たり前といえば当たり前だ。
彼女たちはほとんど身一つだった。持っていたのは財布くらいで、携帯すら持っていなかった。
「持ってたとしても使えないんだよ」とのぞみは言った。
「画面が真っ暗になっちゃうんだ」
理屈はわからないけど、そう言われたらそういうものだと納得するしかない。
「ごめんね、迷惑はかけないから」
とものぞみは言ったが、ここに来ることそれ自体が迷惑なことなのだと考えが及ばないはずもない。
誰もが無価値だという言葉を信仰する彼女にとっては、俺もまた無価値なのだろう。
だとするなら、どうして彼女はユイのために行動しようと思えたのだろう。
俺にはそこがさっぱり分からなかった。
無価値なら、どうなってもかまわないはずなのに。
それとも、それは話が別なのだろうか。