[2/4]幼馴染「いっしょにいようよ」

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 22:53:02.00 ID:ncDSdEPwo

屋上、幽霊、煙草の吸い殻、足音。

話を聞き終わった先輩は、なんだか呆れるみたいな顔で、俺を見た。

「それで、どうしたいの?」

「どうしたいって……」

「その子の言うこと、そんなに見当違いとは思えないよ。まあ、ちょっと無理のあるところもあるけど。
そもそも屋上で煙草を吸うなんてステレオタイプの不良、それ自体未確認生物みたいなところあるし。
でも、現実的に解釈すれば、それが妥当じゃない? 与えられた情報に嘘がないって仮定が、信頼できるならだけどさ」

含みのある言い方。まるで、なにか気に入らないと言っているみたいに。

「……妥当、ですか」

「内海が気にしてるのは、その話の整合性? それとも……別のこと?」

急に、さっきまでの、没入感に近い熱が冷えていく。
違和感に突き動かされて、サキ先輩に話をして、そうまでして、気になっていたこと。

その正体に気付くことで、自分の心が自分から遠ざかっていく。
ああ、俺はこんなことを考えていたのか、と、自分の背中を眺めている自分が現れる。
べつに俺は、幽霊の正体なんてどうだってよかったんだ。

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